最初はちゃんと購入するつもりで山下商店(仮)を訪れたのだけど、店内に入っても誰も出てこないし、すみません誰か居りませぬかと呼びかけても何ら応答がないし、そんなことをしているうちにバスの時間が迫ってきたしで、進退窮まった俺は思わず、何となく陳列されていた赤ラークを手に盗り、おいおいお前泥棒じゃないかそれ、知るかハゲ呼んでも出てこない方が悪いに決まっているさ、んなこと云ったってバレたら逮捕だぜいい年して煙草の万引きでブタ箱逝きだぜ、ふふふ上手くやってみせるさこの光速のギリテクでな! などという逡巡は全くなく極普通に店を出て、盗りたてのラークに火をつけて吸ったら信じ難い不味さに吐き気がした。

つまり今回の教訓は、悪いことをするとちゃんと自分の身に返ってくるのですよ、などという子供騙しなものではなく、赤ラークを好んで吸う奴は味覚か精神に深刻な障害を持っている、ということなのである。←どこが教訓なのこれ?