村上龍のお話を読むと矢鱈と不愉快な気分になって沈みがち、しかし、そんな可憐な少女のような感受性をお持ちの貴女にも問題なくお勧めできるのが 69(シクスティナイン) であるわけですが、なんとこれが映画化されてしまう、そんな情報を今更ながらに知ってしまったのです。

念の為に云っておくと、男女がお互いの性器を同時に愛撫するというアレとは何の関係もありません。1969 年の話だから 69 なんだってさ。少なくとも小説ではそうでした。

キャスティングがなかなかに絶妙で、主役の妻夫木聡はそれなりに演技派であるから大丈夫だろう、ということにしても、おいおい豪く老けた高校生だなーって感じの安藤政信が少し気になります。流石にきついんじゃないかこれは。妙な髪型はヅラっぽいし。そして柴田恭平、主人公の父親。小説ではチョイ役だった気がするのだけど、たとえ脇役といえども隙は作らぬよという、製作側の意気込みが伝わってくるようでありますね。

某ピンポンのような、地雷だか何だか判らない雰囲気が漂っているあたりがなー。安心して見に逝けないっていうか。