私も最近になって知ったのだが、未だ科学の領域に含まれていないある分野――この分野に関して、日本は世界一の技術と生産数とユーザを持っているのだが、興味のない人には全く受け入れられず、それどころか排斥しようという運動まである始末で、一般への浸透はまだまだ遠いと云われている――では、しばしば NTR という専門用語が使われる。これは Neuronal Transform Religionize、宗教的なニューロン変換のことで、バイオメトリクス研究の先駆けとも云えるビジュアルアーツ社が提唱した、次世代記憶システムのこと、ではありませんので注意が必要です。英語の辞書まで使って嘘を作ろうとする自分に惚れそうだ。

では何か。ぶっちゃけると、寝取られのことらしいです(Ne-To-Ra-re)。エロゲーでも現実世界でもありがちな、彼または彼女または旦那または奥さんまたは(略)が、見ず知らずの何者か(大概は顔見知りだったりするんだが)に蹂躙されてしまうことなのですが、重要なのは、これがある程度の同意に基づいて行われるという点です。決してレイプではありません。この裏切られた、という要素を前面に出すことにより、ユーザの感情は激しく揺さぶられ、ある人は食事も採れなくなって数日寝込んだり、ある人は胃に穴が空いて病院に行ったり、ある人は即座にドライブから CD を取り出し手刀で真っ二つに叩き割ったりと、もうなんだか収拾のつきようがない有様になってしまうのです。おそろしい!

しかし僕がもしこのような事件に遭ったら、悔しさなどよりも真っ先に性的な興奮を覚えそうで、その方が恐ろしかったりします。どういう体位で、いやまて、先ず風呂に入るだろ、うん、それでベッドに逝って、寝転んで、さあこれからどうしたのだ、ふんふん、ほうほう、何! そんなことまでしたのか貴様! などと問い詰めることができるわけでして、それを思うと血液の流れが極一部に集中しドキドキしてくるのです。楽しそうだ。ていうか、おまいらも本当はこういうの好きなんでしょ? 正直になりましょうよ。ウェーハッハッハ。

……という夢を見た。全く意味が判らなかった。(了)